インクジェットヘッド吐出特性の劣化判定
プリンター等の開発において、吐出の安定性やヘッド寿命は重要な指標です。
インクジェットヘッドは様々な要因から吐出特性が変化します。
連続使用や時間経過によりインクジェットヘッドの吐出特性が劣化することから、製品開発時にはどの程度の使用で劣化が生じるのか(メンテナンスが必要なのか)を判断する必要があります。
このヘッド吐出特性の劣化判定を、飛翔液滴観測装置であるjetXpertを使用して行なう方法をご案内いたします。
観測システム構成例
jetXpert 飛翔液滴観測装置
インクジェットヘッドから吐出された液滴の飛翔中の状態を観測します。
全ノズル観察モーション
同列中の全てのノズルの液滴挙動を観測します。
周回設定も可能で、長時間の吐出安定性の評価、及びヘッドの耐久性の観察が可能です。
ノズルプレート観察カメラ
ノズル面を下から覗くカメラで、ウェッティングをリアルタイムで観察できます。液ダマや吐出不良の様子が視覚化されます。
劣化判定例
インクジェットヘッドの劣化時、下記のような変化が起こります。
- 特定ノズルにおける吐出量の変化(定量)
- 不安定な速度(定量)
- 飛翔角度の偏り(定量)
- サテライト滴発生状況の変化(定量/定性)
- 不吐出の増加、液ダマの発生(定量/定性)
何を持って劣化と判定する閾値とするかは、アプリケーションに依るでしょう。その判定基準を策定する上でも、まずは劣化時に起こる上記変化を把握できることが重要です。
jetXpertは可視化による観察のみならず、全吐出データの自動記録により、吐出特性の劣化が定量的な数値による傾向として取得可能です。
つまり吐出特性の劣化判定を、「現象の目視観察による定性判定」+「デジタル計測による定量判定」との組み合わせにて行なうことが可能であり、説得力のある劣化判定が可能です。