表面張力計 Sigmaシリーズの表面張力計は、高分解能バランスを採用して高分解能 0.001mN/m を実現。高分解能は表面張力の測定精度の向上に加え多彩な拡張機能を可能にします。
特 徴
■ベーシックな表面張力、界面張力及びラメラ長の測定
リング法 (Du Nouy ring method)
金属環(Du Nouyリング)を液面に平行につけ、これを垂直に引き上げ、引き上げる力を測定し表面張力を算出します。
プレート法 (Wilhelmy plate method)
金属の薄い板(Wilhelmyプレート)を液中につるして、プレートを引き上げるときに釣り合った力から表面張力を算出します。
ソフトウェアにより測定は全て自動化され、サンプルステージが自動昇降します。リングやプレートの浸漬深さ、測定回数の設定、グラフ化やデータの転送が可能です。
リングに付着する液の補正
引き上げられた時にリングに付着する余分な液を、ソフトウェアは自動計算で補正します。補正方法にはHuh and Mason法を採用しています。
動的接触角の測定
前進後退接触角をヒステリシス測定と次式で算出します。
Wetting force = γLV P cosθ (γLV は溶液の表面張力、P は試料の周長、θ は接触角)
使いやすい動的接触角測定ソフトを完備し測定を自動化しています。
単繊維のぬれ性
モデルSigma701により単繊維の動的接触角測定も可能です。10μm以下の繊維でも測定可能です。
粉体、多孔性試料のぬれ性
試料が粉体や多孔性の場合でもWashburn法によりぬれ性を評価する事が可能です。コットンに対するインクの浸漬ぬれの評価等、幅広い利用が可能です。使いやすいWashburn法専用ソフトを完備し測定を自動化しています。
T = [ η / C ρ2 γ cosθ ] M2
T = 接触後の時間
η = 液体の粘度
C = 固体の材料定数
ρ = 液体の密度
γ = 液体の表面張力
θ = 接触角
M = 個体に浸漬する液体の質量
臨界ミセル濃度(CMC)の測定
界面活性剤は両親媒性の分子で、親水基と疎水基により構成されています。水中に単独の界面活性剤が存在する場合は気/水界面に吸着します。
吸着した界面活性剤分子は水分子の凝集力を弱め、水の表面張力を低下させます。吸着が飽和状態に達しても界面活性剤が投与され続けると、水中で疎水基どうしがくっつきミセルと呼ばれる会合体を形成します。
このような化合物水溶液の表面張力-対数濃度曲線は特徴のある形を持っており、表面張力が一定となって曲線が折れ曲がる濃度を臨界ミセル濃度Critical Micelle Concentration (CMC) と呼び、この濃度以上では溶液中にミセルが形成されます。
表面張力計 Sigmaにはオプションで自動ディスペンサーを追加する事により、試料の投与や攪拌をソフトウェアが全て自動制御し、CMCを自動計算します。 自動ディスペンサーを2式使用し、吐出と吸引を行う事も可能です。
表面張力計 / 接触角計の応用分野 | |
濡れ性/親水性 | フォトレジストを基板へ均一に塗布する為の濡れ性評価 コーターの塗布改善の為の濡れ性評価 インキの濡れによる印刷適正の評価 |
撥水性/疎水性 | 自動車用ワックスなどの雨水に対する撥水性評価 フッ素コーティングのレインコート・雨傘用の布の雨水に対する撥水性評価 |
接着性/付着性 | 接着剤の接着性評価 金型からの樹脂の離型製の評価 コーティング剤、乳化剤などの金属・高分子・紙などに対する適正評価 |
清浄度評価 | 液晶ガラス、シリコンウエハー等の表面清浄度の評価 |
洗浄性 | 脱脂槽への界面活性剤投与量の制御 |
その他 | 超臨界二酸化炭素の高圧セル内の接触角測定、界面活性剤・潤滑油・洗剤・化粧品・塗料等の評価 |
表面張力計 Sigma シリーズ 製品ラインナップ
表面張力計 Sigma701/700
多彩な拡張機能を持つ、PC接続ソフトウェアコントロールタイプの表面張力計
オプションによる拡張機能
- 動的接触角の測定
- 粉体、多孔性試料の接触角の測定
- 臨界ミセル濃度(CMC)の測定
- 溶液密度の測定
表面張力計 Sigma702/702ET/703D
ディスプレー付きスタンドアローンタイプの低価格表面張力計
操作が簡単な表面張力計 Sigmaシリーズに共通のビルトイン操作ボタン
表面張力計 Sigmaシリーズ仕様
表面張力測定方法
700 | 701 | 702 | 702ET | 703D | |
静的表面張力 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
静的界面張力 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
密度 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
動的接触角 | ○ | ○ | - | - | - |
粉体のぬれ性 | ○ | ○ | - | - | - |
表面自由エネルギー | ○ | ○ | - | - | - |
臨界ミセル濃度CMC | 自動 | 自動 | 手動 | 手動 | 手動 |
表面張力計測装置仕様
700 | 701 | 702 | 702ET | 703D | |
表面張力測定範囲 (mN/m) | 1~2000 | 1~2000 | 1~1000 | 1~1000 | 1~1000 |
表面張力分解能 (mN/m) | 0.001 | 0.001 | 0.01 | 0.01 | 0.01 |
密度測定範囲 (g/cm3) | 0~2200 | 0~2200 | 0~2200 | 0~2200 | 0~2200 |
密度分解能 (g/cm3) | 0.0001 | 0.0001 | 0.0001 | 0.0001 | 0.0001 |
最大サンプル重量 (g) | 210 | 5 | 5 | 5 | 5 |
重さ分解能 (mg) | 0.01 | 0.005 | 0.01 | 0.01 | 0.01 |
力分解能 (uN) | 0.1 | 0.05 | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
動的接触角測定範囲 | 0~180° | 0~180° | - | - | - |
動的接触角分解能 | 0.01 | 0.01° | - | - | - |
キャリブレーション | 自動 | 手動 | 手動 | 手動 | 手動 |
サンプルステージ | 自動 | 自動 | 自動 | 自動 | 手動 |
ステージ昇降速度 (mm/min) | 0.01~500 | 0.01~500 | 0.01~500 | 0.01~500 | - |
ステージ稼動範囲 (mm) | 75 | 75 | 75 | 75 | - |
ステージ位置決め精度 (um) | 0.015 | 0.015 | 0.03 | 0.03 | - |
標準容器径 (mm) | 70/50 | 70/50 | 70/50 | 70/50 | 70/50 |
スターラー | ○ | ○ | - | - | - |
温調範囲(サーキュレーター接続) | -20~200 | -20~200 | -10~100 | -10~100 | -10~100 |
装置寸法 (cm, LxWxH) | 33.3×24.4×62 | 33.3×24.4×62 | 33.3×24.4×62 | 33.3×24.4×62 | 27.5×15.5×39.2 |
装置重量 (kg) | 16.3 | 13 | 10.7 | 10.7 | 4.9 |
電源 | 100~240V, 50/60Hz |
100~240V, 50/60Hz |
100~240V, 50/60Hz |
100~240V, 50/60Hz |
100~240V, 50/60Hz |
PCインターフェース | USB | USB | USB (データ転送のみ) |
USB (データ転送のみ) |
USB (データ転送のみ) |
ソフトウェア | グラフ化、データのインポート/エクスポート、データベースライブラリー、etc. | - | - | - | |
動作環境 | 基本環境 1GHzプロセッサー、512 MB RAM、 40 GBハードディスクドライブ(20GBフリー)、 1024×768レゾリューション、1 FirewireポートもしくはPCIスロット2つ。 Windows 2000 SP4、Windows XP SP2 (32 bit)、Windows Vista Home SP1、Windows Vista Home Premium SP1、Windows Vista Ultimate (32 bit) SP1、Vista Business SP1推奨環境 2GHzプロセッサー、2GB MB RAM、100 GBハードディスクドライブ(40GBフリー)、1280×1024レゾリューション、1 FirewireポートもしくはPCIスロット2つ。 |