半導体製造装置でパーティクルが生じる理由

最終更新日:

弊社では、「パーティクル計測装置Fastmicro」を取り扱っています。

半導体業界では、デバイスメーカー・装置メーカー・部品サプライヤーまで含め、一丸となってパーティクルの低減の取り組みが行なわれてきました。昨今では微細化に伴い、更なるパーティクルの低減が求められているかと思います。

当記事では、パーティクルが発生する様々な原因についてご紹介します。

半導体製造プロセスでパーティクルが生じる理由

パーティクルは物理作用と化学作用によって生じます。発生元は製造装置、部品、プロセス自体の作用など様々です。

装置部品の加工時に発生

部品加工の際にパーティクルが生じ、表面に付着しているケースがあります。
例えば出力の高い赤外線レーザーで切断加工を行う際、レーザーアブレーションにより対象の物質が溶融・蒸発・飛散します。
こちらが冷えて固まり表面付着パーティクルになります。

パーティクルが付着した部品を用いて半導体製造装置を組み立てると、力が加わった際に微粒子が落下・飛散し、半導体製造工程でのパーティクル汚染の原因になります。

ガスの注入/排出時に発生

半導体製造工程で多く用いられるガスですが、注入や排出時に圧力変動によるチャンバーの歪みや振動が生じ、その結果筐体内部にパーティクルが生じることがあります。

そのため、圧力の変化を緩やかにする、チャンバーの歪みが少なくなるよう真空装置を設計・製作するといった取組みがなされています。

温度変化による変形によって発生

熱膨張のように、温度変化によって筐体や部品に歪みが生じるケースでは、微細な歪みによりパーティクルが発生する場合があります。

搬送機能など可動部から発生

工程間や装置内での搬送には、マニピュレータやコンベアなど、必ず機械的な可動部が存在します。

可動部では物同士の接触が起こり、摩擦や摩耗が生じ、これがパーティクルの原因になります。

毛細管現象・表面張力で力が掛かりパーティクル発生

パーティクルは、毛細管現象や表面張力といった微細な力が掛かる差異にも生じる場合があります。

静電気による放電でパーティクル発生

静電気は製品にダメージを与えるだけでなく、パーティクルの発生要因にもなります。

放電によるショックで筐体内部の壁面などの衝突箇所に微細な損傷が生じ、パーティクルになります。
また帯電した静電気によって浮遊する粒子が付着するといったケースもあり、こちらもパーティクルの原因になります。

プロセスで生じたパーティクル

プラズマのような大きな力が生じるプロセスで、パーティクルが発生する場合があります。

  • プラズマエッチング時の反応生成物がパーティクルになる。
  • 装置内壁部品がプラズマに曝されることでパーティクルが発生する。
  • 装置内壁に堆積した物質の剥離によってパーティクルとなる。
  • プラズマ発生時に浮遊するパーティクルがプラズマ消失時にウェーハ上に落下する。

水蒸気による凝結でパーティクルが成長

空気中の水分が凝結時、周囲の微粒子を巻き込んでパーティクルを形成するケースがあります。

例えば、真空チャンバー内に水蒸気が含まれていると、真空排気時のガスの温度変化によって水蒸気の凝結が生じます。
凝結により微細なパーティクルを核として、より大きなパーティクルに成長し、ウェーハに付着します。

真空装置で使うポンプから発生するパーティクル

真空ポンプはチャンバー内やバルブに大きな力が掛かるため、筐体内でパーティクルが発生する場合があります。
バルブは可動部であり、かつ力が掛かる箇所でもあるという特性から、パーティクル管理に重要なパーツです。

真空引きすればパーティクルも共に吸引されるかというと必ずしもそうとは限らず、例えばポンプの吸気口から吸い込まれたパーティクルが、回転するロータと衝突し跳ね返り、真空処理室へと逆流することもあります。

ターボ分子ポンプ内のロータは高速で回転しているため、パーティクルもまた高速で反射して、真空処理室内を飛散し、ウェーハに衝突するケースもあります。

パーティクルを軽減するためには計測が必要

半導体装置内のパーティクルは低減しているものの、物理現象であることからゼロにすることは現在の技術では難しいでしょう。

パーティクルの影響を最小限に抑えるには、装置開発や部品製造工程、そして製造プロセスでの日常的なパーティクルの計測が不可欠です。

パーティクルの発生場所をすぐに特定する方法

従来のパーティクル計測手法では、製造装置内に生じるパーティクルを高頻度に行なうことは困難でした。

装置内部の手の届かない様々な表面に付着している見えないパーティクルを測定することは不可能だったからです。
Fastmicroのソリューションを用いれば、装置内部に付着のパーティクルを間接的に専用のサンプラーカードに写し取ることで、これまでは不可能だったパーティクルの可視化と管理が可能になります!

Fastmicroは半導体業界におけるパーティクル計測を「高速に」「手軽に」「比較的安価な設備で」行なうことができる革新的ソリューションです。

製品情報 パーティクル測定装置(Fastmicro)

お問い合わせ

製品に関するお問い合わせ、お客様のアプリケーションの適合性確認・ご相談、御見積など
お気軽にお問い合わせください。各種ツールによるオンライン会議にも対応しております。

03-5542-6754

アルテック株式会社 製品担当部署:AS営業部

「ASサイトの製品について」とお伝えいただくとスムーズです。