SEMによるパーティクル分析業務を圧倒的に効率化する方法

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半導体やMEMS等の分野でパーティクル管理を行う際、SEM(走査型電子顕微鏡)での分析を行われている現場は多いと思います。
SEMは高度な装置ですが、パーティクルの分析においてはあくまでアナログな手法であり、時間の掛かる工程になりがちです。

ここでは、この分析工程を迅速化し、トラブル時のロス・損失を最低限に抑える方法についてお話します。

SEMによるパーティクル分析のポイント

SEMを用いたパーティクル分析は、ウェーハや装置などに付着したパーティクルのサイズ・形状・元素組成などを「見える化」する目的で行われます。

パーティクル分析のフローとしては、まず対象面や評価基準(SCPやPDR)を設定し、ウェーハや装置から粒子を採取します。
採取した試料は、帯電対策を施して固定し、SEMにセットします。撮像や解析により、パーティクルの形状・材質・元素組成などを取得します。
取得したサイズ分布や個数密度、化学種分類を統計化することで、最終的には発生源の推定と対策に役立てられます。

一方で、SEMによるパーティクル分析では、SEM内での粒子探索・視野移動・焦点調整に多くの時間が費やされています。
特に、広いエリアの中から分析すべき粒子を探すには、SEM内で視野を移動しながら探索・倍率調整を繰り返す必要があり、ステージ操作やフォーカス合わせに膨大な時間がかかります。
結果として、分析価値の低い粒子まで分析対象としてしまい、総分析時間が増大します。
また、座標情報の引き継ぎが手作業になることで位置ずれや再探索の手間が発生し、SEMの稼働効率を下げる要因にもなっています。
パーティクル分析の効率化を進めるためには、これらの解消が必要です。

数時間掛かる分析を数分で完了するには

上述の通り、SEMによるパーティクル分析では、対象パーティクルの特定に多くの時間が割かれています。
その解決策として、広いエリアのパーティクルの個数・サイズを、短時間で一度に把握できるツールがあります。
さらに、そこで発見したパーティクルの中から詳細に分析する対象を選び、それらの座標情報を直接SEMに渡せる機能を備えています。

これにより、下記のようなポイントでSEMでのパーティクル分析を大幅に効率化します。

  • パーティクル探索の手間を削減
  • 広域スクリーニングで、パーティクルの位置を事前に把握したうえで、SEMでの分析に移ることができます。

  • 分析対象の絞り込み時間短縮
  • サイズや個数などの条件で重要なパーティクルだけを選別できるため、分析不要なパーティクルを早い段階で対象から省き、それ以降の分析工程を最適化できます。

  • 座標連携によるスムーズな分析
  • ツールによってマーキングしたパーティクルの位置をSEMにシームレス転送でき、ステージ移動や再探索のロスがなく、分析フローが途切れさせません。

SEMによる分析業務を効率化するFastmicroとは?

前章でご紹介したツールは、Fastmicro社からパーティクル測定装置として提供されています。
中でも、「サンプルスキャナー」という製品でSEM連携可能な機能が登場しました。

サンプルスキャナーでは、専用のサンプラーカードで対象表面からパーティクルを採取し、採取したパーティクルのサイズ・個数・位置などの情報を出力できます。
これらの情報を元にSEMでの分析対象とするパーティクルを絞り込むことが可能です。
さらに、サンプラーカード用のマーキングキット(アプリケーターツール)を用いることで、マーク位置を参照しながら、対象パーティクルの位置をSEMでもすぐに合わせることが可能です。

SEMによるパーティクル分析で従来は数時間要していた工程が、サンプルスキャナーを併用することで数分レベルに短縮される結果も報告されています。

SEMの活用をより有効に

SEMによるパーティクル分析においてサンプルスキャナーを導入することで、パーティクル分析のボトルネックである「粒子探索の手間」と「分析対象の絞り込み不足」を同時に解消できます。
これにより、SEMの稼働時間を本当に必要な分析に割くことができ、スループットと分析精度の両立が可能になります。

サンプルスキャナーとSEM、それぞれに適した活用を分担して行うことで、パーティクル分析をより効率化することが期待できます。

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