ISO14644-9 SCPクラスで表面付着パーティクルを管理

半導体業界において、パーティクル管理は欠かせません。
その一方で、何を基準にどのパーティクルを対象として、管理を行うべきか迷われることもあると思います。
ここでは、ISO国際規格による「表面付着パーティクル」に関する清浄度の基準や、規格準拠に有効なソリューションについてご紹介いたします。
表面付着パーティクルとは
ウェーハはもちろん、搬送経路、製造装置、作業スペース等、クリーンルーム内に存在する様々なモノの表面に付着したパーティクルのことです。
従来のパーティクル管理では、空気中の浮遊塵(気中パーティクル)の測定が広く行われていました。
気中パーティクルの測定を元に、表面付着パーティクルを間接的に管理する方法です。
しかし、パーティクルは気中に浮遊しているものですべてではなく、装置内や搬送経路等に付着したものもあり、それが落下・浮遊することがあります。
そのため、実際には「気中パーティクルの測定」による、「間接的な表面付着パーティクルの管理」では不十分と考えられます。
ISO14644-9 SCPとは
ISO国際規格により定められた、粒子濃度による表面清浄度の分類のことです。
分かりやすく表現すると、「表面付着パーティクルを対象にした清浄度の指標」といえます。
実際のISO14644-9 SCPの数値を下記の表に示します。
SCPクラスは数字が小さいほど清浄度が高いことを表します。
1㎠あたりの表面付着パーティクルの個数(パーティクルの大きさ) | SCPクラス |
---|---|
0.002≧0.5μm | 1 |
0.02≧0.5μm | 2 |
0.2≧0.5μm | 3 |
2≧0.5μm | 4 |
20≧0.5μm | 5 |
10≧20μm | 6 |
20≧50μm | 7 |
200≧50μm | 8 |
ISO規格に準拠することの価値
ISO14644-9 SCPに従った表面付着パーティクルの管理を実行することで、製造工程の歩留まり向上に大きく貢献できる可能性があります。
歩留まりを悪化させているパーティクルの発生状況把握や、改善のための検証をより効率的に進めるための指標として、ISO規格が有効です。
また、製造物や製造環境の清浄度を、国際規格に基づいて保証することができれば、国内外での取引における訴求点にもなり得ます。
そのためには、ISO規格に準拠した表面付着パーティクルを測定することができるツールが必要です。
ISO14644-9 SCPでの管理に最適なツール
ISO14644-9の規格に対応した、表面付着パーティクル測定装置があります。
ASML社のパーティクル低減プロジェクトから生まれたFastmicro社により、発表されました。
当装置は、表面付着パーティクルの測定に特化しており、装置奥などの採取しにくい箇所の測定にも対応する、新しくかつ効率的なツールです。
測定結果としてISO14644-9 SCPに基づいたレポートを出力し、SCPクラスを判定することが可能です。
装置内壁やクリーンルームの壁面などのパーティクル測定には、サンプルスキャナーが最適です。
ウェーハ表面やペリクル・レチクル・ディスプレイ用基板の付着パーティクルを測定するには、プロダクトスキャナーが適しています。
規格対応や製品の選定など、ぜひお気軽にお問い合わせください。