インラインで吐出量を把握する方法

非接触ジェットディスペンサー、非接触塗布装置、産業用インクジェットなど、微小液滴を飛ばして対象に着弾させることで、液体材料の塗布・印刷・造形・配置を行なう技術は、既に産業界の基礎技術として広く用いられています。

本項では、製造現場においてインラインで吐出された液体の量を把握する方法について説明します。

吐出量の把握が必要な理由

製造プロセスにおいて非常に細かな制御を行ないたいシーンにおいて、定量ディスペンサーやインクジェット技術を用いることがあります。

定められた一定量の液体を極めて精巧に吐出させたい(定量吐出・定量塗布)、複数のノズルが協調して動作し、一度に大量の処理を精緻に行ないたいなど、正確性が要求されるケースです。

しかし吐出される液体の量は、温度や湿度といった環境要因や、塗布する液体のロット差等の材料要因、そして可動部の消耗やノズルの状態など塗布装置の状態要因に影響を受けます。

定められた吐出量を保てているかは、品質管理の上で重要です。
製造記録・トレーサビリティ面においても吐出量を常時把握したい場合もあるでしょう。

微小液滴を用いた製造プロセスの監視においてクリアすべき問題点

定量ディスペンサーや産業用インクジェットヘッドを用いた製造プロセスでは、飛翔している液滴はあまりにも小さく、肉眼で状況を確認することは困難なため、吐出量に差異が生じていても気付きにくいという課題があります。

また、製造プロセスにおいて吐出量を確認したくても、ラインを止めた状態で吐出させて測定器で吐出量を測るというのは手間が掛かります。
そのため、特に精度を重視する吐出プロセスでは、監視の機構をインラインに組み込んでしまうことが理想と言えます。

ディスペンサーやインクジェットヘッドから吐出される量をインラインで計測するには、飛翔中の液滴を観測し計測するデジタル観測システムの導入が有効です。

インラインに組み込んで吐出量を測定できる観測システム

先述のとおり吐出された液体を採取し直接測る方法では、プロセスを止めてのサンプリング検査になります。
そこで、飛翔中の液滴をカメラで観測し、その1滴1滴のサイズをデジタル計測することにより体積を割り出すアプローチが有効です。

それを可能にするのが微小液滴観測システムの世界で業界標準と言えるimageXpert社の「Inline jetXpert Drop Watcher(インラインジェットエキスパート ドロップウォッチャー)」です。

マイクロディスペンサーが吐出する液滴を観測し、体積を計測している様子

取得したデータは自動で全量保存され、記録が可能です。

jetXpertは開発フェーズから利用が可能

製造時の観測のみではなく、吐出装置やシステムの開発時からjetXpertの利用が可能です。

体積の他にも、飛翔する液滴の「速度」「角度」「サテライト滴の状況」や、「ノズル液面の観察」なども可能です。

産業用インクジェットヘッドを用いている場合は、産業用インクジェットヘッドの効率的な制御・動作の最適化を行なう仕組みが揃っています。

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