ハイスピードカメラによるインクジェット/ディスペンサー研究の限界
近年、様々な分野のものづくりにおいて、インクジェット技術が注目されています。
インクジェットやディスペンサーの研究開発を始める企業様の中には、液滴を観測するためにハイスピードカメラを使用されているケースもあると思います。
しかしハイスピードカメラだけでは、中々苦戦されることがあると思います。
ここではインクジェット/ディスペンサー研究に行き詰まりを感じている方や、これから研究開発を開始する方に、ハイスピードカメラとの違いを踏まえた有効な観測システムをご紹介します。
ハイスピードカメラを用いた観測の障壁
インクジェット/ディスペンサー研究でハイスピードカメラを用いる際に発生する問題として、以下の点が挙げられます。
1. 膨大なデータ量
ハイスピードカメラは、短い時間に対して大量のコマ数で撮影を行います。
そのためデータも膨大な量となり、ハードディスクの容量はすぐに一杯になってしまいます。
インクジェット/ディスペンサーは時間の経過と共に動作に変化が現れることがあます。
そのため、生産ラインへの組み込みを見据えると、長時間連続稼働時の観測は不可欠です。
しかしハイスピードカメラのみでの長時間撮影は現実的ではありません。
2. 観測結果を数値化できない
液滴飛翔観測の分野において必要なパラメータは、速度、液滴のサイズ、飛翔角等があります。
しかし、ハイスピードカメラではそれらが数値化されません。吐出量の特定も困難です。
印刷において、飛翔液滴が安定しないと印刷の見た目・品質の悪化に繋がります。
またアプリケーションによっては、液体材料の吐出量に対する精度要求が厳しいものもあります。
実際に1滴1滴の吐出量を何ピコリットルという単位の数値で把握し、調整を行うことが必要なシーンではハイスピードカメラでは限界があります。
3. 品質に影響を与える飛翔液滴特有の現象を分析できない
品質に影響を与える要素は液滴サイズだけではありません。
液滴の飛翔角度や、吐出したメインの液滴から分離して発生する小規模な液滴(サテライト滴)の発生状況なども観測することが望ましいです。
これらは飛翔液滴特有の現象であり、ハイスピードカメラでは分析が不可能です。
上記の問題を解決する観測システム
ハイスピードカメラで困難な液滴の観測は、飛翔液滴観測装置を用いることで解決できます。
中でもjetXpertは、インクジェットの研究開発におけるデファクトスタンダードの観測システムです。
飛翔液滴を数値化して観測・分析することで、研究開発の効率化に貢献します。
ハイスピードカメラと専用装置(jetXpert)の違い
当ページでご紹介したポイントについての差異を下記に示します。
項目 | ハイスピードカメラ | jetXpert |
---|---|---|
撮影した液滴の 体積を定量把握 |
× できない |
○ できる |
液滴の飛翔速度を測定 | × できない |
○ できる |
液滴の飛翔角度を測定 | × できない |
○ できる |
長時間連続して撮影 | × できない |
○ できる |
ハイスピードカメラは優れた撮影装置ですが、飛翔する微少液滴の撮影に特化した製品ではありません。
また観測・分析の可不可だけでなく、使い勝手・効率性の違いなども、研究開発に用いる観測システムを評価するうえで重要なポイントです。
元々ハイスピードカメラをご使用されており、新たにjetXpertを導入された方からは、以下のような感想をいただいております。
「このまま(ハイスピードカメラのみの観測)では量産に進むことはできないと思っていた。」
「ハイスピードカメラではデータ量が多く、手軽に見られなかった。これなら手軽に見られる。」
jetXpertはインクジェットやディスペンサーを用いた研究開発を強力に前進させます。
実機デモも行っておりますので、実際の動作や具体的な違いについてご覧になりたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。