水性インク開発の難点と、役立つ観測システム
環境対応のため溶剤を用いたインクから水性インクへのシフトが進行しており、その意識の変革はインクジェット分野でも顕著です。
しかし水性インクは溶剤系インクと異なる特性から扱いが難しく、顔料の分散性の課題、凝集してのノズル詰まり、メディアへの着弾後のにじみ発生など、新たな条件での研究開発でクリアすべき課題が報告されています。
ここでは水性インクの研究開発に取り組む研究者様に、配合・材料変更・条件変更時の検証を圧倒的に効率化するインクジェット研究用システムjetXpertを用いて、今後益々主流となる水性インク開発の難点にどう取り組むかについて言及いたします。
水性インクの難点
溶剤系インクと異なり水性インクは凝集しやすいことから、観測ポイントとして下記2点にて影響が生じます。
1. ノズル詰まり
インクジェットヘッドのノズルは1滴あたり1ピコリットルという極めて微小な液滴を生成する微細な管であり、インク中成分の凝集が生じると詰まりが生じます。
詰まりはノズルからの不吐出として現れ、印刷結果としてはドット抜けとして現れます。
観測方法としては、ノズル自体の斜め下や真下からのカメラによる観察が有効です。
2. 印刷品質の悪化
完全な不吐出によるドット抜け以外にも、インクの凝集は吐出量・液滴の飛翔角度・飛翔速度などの数値の変化として影響を及ぼす場合があります。
着弾位置のズレ、サテライト滴の発生、スプラッタ(飛び散り)の発生に繋がることで、印刷画質の悪化として現れる場合対処が必要です。
これは印刷された最終結果だけ見ても実際に何が起こっているのか判断しづらく、飛翔中の液滴の量・飛翔角度・速度・サテライト滴の発生状況を直接測定することが有効な分析になり得ます。
印刷品質の悪化には、下記のような観測システムが有益です。
観測しながらメディアに印刷
観測を行ないながらインクでそのまま印刷し、印刷品質をチェックすることが可能です。
印刷結果をデジタル化し高精度観測
印刷したサンプルをすぐに詳細観察可能。
ソフトウェアでインクのにじみ、かすれ、着弾精度、濃淡など全てを数値化します。
2.5Dプリンタなど凹凸があるものに対応するオプションも。
プリントエグザミナー
印字物をサッと確認したい。そういった場合はこのプリントエグザミナーでにじみ、かすれ、着弾精度、濃度を数値化が可能です。
インクジェット研究用観測システムご紹介
本項でご紹介した観測システムが、jetXpertです。
インクジェットのインク開発やプリンター開発を劇的に加速するグローバルスタンダードのインクジェット研究用システムです。