新しい製造方法としてのインクジェット

ものづくりのために、インクジェット技術の活用が注目されています。

紙に印刷を行う技術として用いられてきたインクジェットですが、「微小な液滴を噴出し着弾させる」ことはその他の用途にも利用できます。
特に緻密な液滴コントロールが可能な特長は、あらゆるものづくりにおいてブレイクスルーとなり得ます。

ここでは実際にインクジェット技術の活用が進んでいる分野や、インクジェット技術を用いた製造の研究開発におけるポイントなどをご紹介いたします。

インクジェット技術を使用したものづくりの例

下記のような分野において、インクジェット技術の活用が進んでいます。

2.5D・3Dプリンター

平面に印刷をする一般的なプリンター同様に、2.5D・3Dプリンターにもインクジェット方式が用いられています。

2.5D・3Dプリンターの用途として注目されているものの一つに、加飾があります。
多品種少量生産をストロングポイントとする2.5D・3Dプリンターは、オーダーメイドの製造や部分的な装飾に最適です。

具体的な活用例として下記が挙げられます。

  • 外壁材や床、壁紙などの建材の製造・加飾
  • 家具の製造・加飾
  • 自動車の内装パーツの加飾
  • ハイブランドの衣服・靴・鞄など、服飾品の加飾
  • ポスターやチラシなど広告媒体の加飾

プリンテッドエレクトロニクス

電子部品などの製造において、回路形成にインクジェット技術が活用されています。

インクジェットは導電性インクのような機能性材料を吐出することが可能です。
また微小な液滴の形成や精密にコントロールした吐出を実現できるため、プリンテッドエレクトロニクス分野では主要な方法として用いられています。

使用できる材料の種類を増やす、液滴の吐出から着弾までをより緻密に制御することで、さらなる適用可能性の拡大が期待されています。

メディカル(医療・製薬)

医療分野で活用されているインクジェット技術に、バイオ3Dプリンターや錠剤の印刷機器などが挙げられます。
細胞単位での正確な吐出が求められるメディカルの現場でも、インクジェットは適用可能です。

またプリンターだけでなく、研究プロセスで行われるピペッティングやパターニングなどでもインクジェットが用いられることがあります。
定量の液滴を連続して分注するには、高精度なインクジェット技術の活用が有効です。

布の染色

インクジェット技術の発展により、印刷の対象および印刷材料(インク)の幅が広がっています。
中でも衣類やタオルなどの布製品の染色にもインクジェット技術が用いられています。

版木などを使って染める捺染(シルクスクリーン)を行っていた現場で、インクジェットプリンターへの置き換えが広まりました。
従来の方式に比較し、製造期間を短縮できる、デザインの柔軟性が高いというメリットがあります。

食品

可食インクを用いることで、食品へのインクジェット印刷も普及しています。

一般的に、食品に直接模様や字をつけるには焼き印や金型を用いていました。
インクジェット技術の進歩により食品プリンターが登場すると、幅広いデザインをより気軽に印刷することが可能になりました。

インクジェットの研究開発に取り組むならJetXpert

インクジェット技術はこのように様々な分野で活用されており、ここでご紹介したもの以外にも新たな可能性が期待できます。

ですがこれらのインクジェット技術の中には、既に産業用プリンターとして確立されているものもあれば、オリジナルの技術として開発が必要なものもあります。

例として、新しいインク材料を使用したいケース、印刷対象の特性から既製品の使用が難しいケース、自社の差別化技術として開発したいケースなどが挙げられます。
その場合、産業用インクジェットヘッドを購入し、インクジェットの技術開発から行なう必要があるでしょう。

そこで、インクジェットの技術開発を円滑にするシステムをご紹介いたします。

インクジェットノズルから吐出される液滴は非常に微小なため、研究開発時における課題発見・解決が大変です。
多くの現場で課題となっているポイントとして、液滴の飛翔速度・角度、ノズルごとのばらつき、液滴着弾時の跳ねなどが挙げられます。
そこで、これらのポイントを観測する飛翔液滴観測システムが導入されています。

お勧めの観測システム JetXpert

多くの研究開発の現場で用いられている飛翔液滴観測システムです。
世界レベルのデファクトスタンダード製品であり、インクジェット技術の研究開発を効率化します。

インクジェット技術を活用したものづくりを始められる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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