製品概要
本装置は、imageXpert社が開発した飛翔液滴観測装置です。ノズルから吐出された液滴を詳細に観察し、ボリューム、速度、角度の自動測定に加え、ミストの視覚化も可能です。2016年より日本での販売を開始したimageXpert社製jetXpertは、その高い評価精度と充実した機能により既に国内導入数70台に上り、全世界では15年前のリリースより700台を突破!
今なおお客様のご要望に寄り添った機能が追加され、インクやヘッドメーカー様のみならず、バイオ、医療、プリンテッドエレクトロニクス、化粧品、食品などあらゆる業界の皆様の研究開発に貢献しています。
インクジェット液滴とは?
インクジェットヘッドから吐出された液滴はごく小さな液滴となり飛翔します。
液滴は空中で尾を引きながら主滴とサテライト滴に分離し、目標地点へ着弾します。
そのような体積1ピコリットル前後の微小液滴には、普段私たちが目にする水滴とは異なる特徴的なふるまいがみられます。
用いられる液体もインク、各種機能性材料、生体細胞まで幅広いことから、観測してみなければわからないことが多くある面白い世界です。
jetXpertの特長
【特長①】高精度な測定と効率性
シングルイメージングイベントにより、米国の標準技術研究所 –NIST– にも認められた高精度な液滴観察 (体積±3%、速度/角度±1) を実現。ワンクリックで吐出液滴の全てを連続オート観測。
【特長②】1台でマルチなドロップウォッチャー
jetXpertが1台あれば御社でご使用のヘッドは全て評価が可能。また、当社からもヘッド、ドライバー、インク供給システムもご提供可能で、すぐに観察環境が整います。弊社から販売可能なヘッド、ドライバーはこちら。
jetXpert のスペック
パルス幅 | 最小パルスは125ns 以降は125nsずつ上昇) |
同期信号 | ヘッドドライバーより5V TTLをストロボとの同期信号として受信 |
データ保存 | 数値での取得、及び画像 (TIFF)、動画 (AVI) にて保存 |
光源 | 青色LED (波長:455nm) |
カメラ | 白黒Gigカメラ、120万画素、10fps、400nm/px |
測定精度 | ボリューム±3%、速度±1%、角度±1% |
レンズ | 4.5xズーム (2Xレンズもございます) |
キャリブレーション | 専用のターゲットによるワンクリックピクセル換算 |
サイズ/重量 | 60 x 60 x 30cm (HWL) ※弊社デモ機調べ |
jetXpertのオプション紹介
1.液滴観察の効率化
全ノズル観察モーション
モーターと専用ソフトウェアにより、同列中の全てのノズルの液滴挙動を観測します。周回設定も可能で、長時間の吐出安定性の評価、及びヘッドの耐久性の観察が可能です。
周波数コントロール
ユーザー様が設定された範囲の周波数を自動で変更していき、各周波数での液滴を観測します。インク開発時の最適周波数の発見などに便利です。
ドロップトラック
液滴はノズルから離れるに連れて速度が変わっていきます。ユーザー様指定のステップサイズで液滴を自動追尾し、都度速度を測定します。
Xスウィープ
GIS社製ドライバーと連動し、ユーザー様指定波形設定をオートで変更、液滴の観察を行います。
2.より詳細な液滴観測
レイテンシー
吐出のタイミングを制御し、初滴の挙動を観測します。
ノズルプレート観察カメラ
ノズル面を下から覗くカメラで、ウェッティングをリアルタイムで観察できます。液ダマや吐出不良の様子が視覚化されます。
ノズルエグザミナー
ノズルプレート観察カメラがノズル面に対して45度の角度で設置されているのに対し、こちらは真下に設置します。ノズルへのダメージ等、通常ヘッドを取り外し顕微鏡で見ている作業をその場で行うことができます。
スティッチ
時間の経過による液滴の挙動を1枚の画像に納めます。吐出開始からリガメント、球体になる過程を観察できます。
着弾観察
現状ガラスやフィルムなど透明なものが対象ですが、ドロップが着弾する様子を観察できます。
3Dシューティング
特にプリンテッドエレクトロニクス分野など、着弾角度が重要な場合、より詳細な液滴観察が必要とされます。このオプションは、カメラ、LEDが2つになることで、立体的に液滴を観察します。
3.評価環境の改善
チャンバー
jetXpertを丸々囲うボックスでインクの飛散を防ぐだけでなく、装置周りの温度・湿度を測定します。
バキュームインクコレクター
インクの飛散によりデスクやレンズが汚れるだけならまだしも、インクによっては人体に影響が出るものも存在します。こちらの装置を使用することで、そのすべてを解消できます。
キャッピングステーション
評価後のヘッドの管理はどうされていますか?こちらのステーションはメーカー問わず全てのヘッドに使用できるユニバーサル仕様で、ノズル面の乾燥や不慮のダメージを防ぎます。
サイドシューティング
jetXpertは通常のピエゾヘッドのみならず、CIJタイプのヘッドにも対応しています。装置を90度傾けることで、実機と同じ使用環境で評価が可能です。
4.OEM
OEMカメラ
jetXpertはR&Dでの観察だけでなく、小型カメラタイプもありデバイスへの搭載し、吐出安定性の管理も行うことが可能です。
5.印字物の観察
プリントステーション
imageXpert社のプリンターは液滴観測と一体型になっており、観測で使用したヘッド、波形、インクをそのまま印字へ移行できます。したがってヘッドを取り換えるだけでどのヘッドにも対応可能なマルチプリンターとなります。
スキャナー
印刷したサンプルはスキャナーですぐに詳細な観察が可能です。imageXpert社のソフトウェアでインクのにじみ、かすれ、着弾精度、濃淡など全てを数値化します。
マニュアル/フルモーション
スキャナーでは難しい凹凸のあるものでも、モーションを使用すれば同じく高精度な観察が可能です。
プリントエグザミナー
スキャナーやモーションの様な超高精細な観察でなくても、印字物をサッと確認したい。そういった場合はこのプリントエグザミナーでにじみ、かすれ、着弾精度、濃度を数値化が可能です。